2007年09月26日

折原一

作品の構成そのものにトリックをしかけてしまう叙述トリックの名手。
時系列だったり、語り手をうまく変えたりすることがトリックになるので、読み終わった後でもう一度仕掛けを読む楽しみがある。

ただあまり書くとネタバレになるので、短くしか概要を書けないです( iдi )

折原一『七つの棺』
『七つの棺』 ○
デビュー作『五つの棺』改題。
七つの密室殺人を連作で収録。登場人物もキャラクターが面白いので、飽きのない感じで読める。『ディクスン・カーを読んだ男たち(「永すぎる密室」を改題)』
がオススメ。

倒錯のロンド
『倒錯のロンド』 ◎
江戸川乱歩賞最終候補作。さらに日本推理作家協会賞候補作。
小説の賞に応募する作品をめぐるストーリー。
折原一の作品とこれ以上説明書けないよね。まずこれを読めば折原一の世界は十分と伝わる。

異人たちの館
『異人たちの館』△
新潮ミステリー倶楽部シリーズ。
折原ワールドは十分感じられるが、少し複雑で結論がしっくりはいってこない。面白くないことはないが、一般受けする感じの作品ではない。

折原一『冤罪者』
『冤罪者』 ○
とにかく最後まできて、しっかり落ちた感じ。最後が痛快なのでそれまではストーリーをしっかりと読むべし。

天井裏の散歩者―幸福荘殺人日記
『天井裏の散歩者―幸福荘殺人日記』△
江戸川乱歩作品へのオマージュ作品。
すこしオマージュを意識し過ぎた感じがあって少しらしさが欠けた感じ。
叙述も使っているし、らしさがないわけではないのだが、期待はずれの感はある。

折原一『沈黙の教室』
『沈黙の教室』 △
日本推理作家協会賞。
なかなか面白くホラーチックな面も出ているので、違った楽しさがある。しかし『倒錯のロンド』に比べるとやはり落ちる感じ。







同じカテゴリー(Novel)の記事
 三田誠広『いちご同盟』 (2009-06-02 09:06)
 清水義範 (2009-01-26 00:19)
 逢坂剛「カディスの赤い星」 (2009-01-19 00:17)
 山口雅也 (2008-09-16 00:00)
 島田荘司 (2008-08-07 00:10)
 岡嶋二人 (2008-08-06 00:35)